【子育て】素質を褒めると子供は成長しない?

2014年4月26日

みなさんはお子さんを褒めていますか?
褒めるとしたら、何を褒めますか?
『褒める』ことは子供にどんな影響を与えるのか。どんな褒め方をしたらいいのか。僕の経験を交えてお話ししたいと思います。

素質や結果を褒めてはいけない?

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photo credit: Mark Nye, ClubofHumanBeings.com via photopin cc

結論から言ってしまうと、素質や結果を褒めてしまうと子供は成長を辞めます。

厳密に言えば、チャレンジをしなくなり結果成長することができなくなります。
成長とは経験であり、失敗であると思います。
もちろん失敗のない人生こそが成功なのかもしれませんが、そんな人生はあり得ません。どれだけ失敗したか、これが成長ではないかと思います。
たくさんの失敗をしている、イコールたくさんのチャレンジがあるということです。
たくさんチャレンジをすることで経験を積み、成長していくことが必要だと思っています。

何故素質を褒めてはいけないのか

では何故、素質や結果を褒めるとチャレンジを辞めてしまうのか。
例えば、勉強でのケース。子供が、ある難しい問題を解いたとします。
そこであなたは「すごいね、頭いいね」と褒めました。
これは『頭がいい』という『素質』を褒めています。
実際にこの子供の素質がいいから問題を解けたのか、日頃の努力やこの問題への取り組みに努力したから解けたのかは問題ではありません。

努力や挑戦をしなくなり、安いプライドが芽生える

『素質』を褒められた子供は自分の素質が良いことを理解し努力をしなくなります。そればかりか、解けない問題(壁)に出会った時に失敗を恐れ(親や周りに、頭がいいのにできないの?と思われるのを恐れるため)チャレンジをしなくなります。
さらには、努力しチャレンジすることをカッコ悪いことだと思うようになり、安いプライドを築き上げていくようになります。
とても変な完璧主義で、とことん極めて完璧にするぞ!というものではなく、何かができないという自分はあり得ない、とできないことを敬遠してしまいます。
これは実際に素質が良い場合の方が顕著のように思います。

器用貧乏になってしまうかも

そしてこれは僕の経験談でもあります。
小さい頃からよく頭がいいと言われ、実際にスポーツ、勉強、楽器や絵などそこそこ周り以上にできました。そこでさらにすごいねともてはやされます。
そうしたことで、例えば楽器でできない壁が出てくるとそれ以上やろうとしたり努力したりすることはしませんでした。

今現在立派な器用貧乏として苦労しています。器用貧乏が悪いとは言えませんが、少なくとも僕は色々なことが70点できるより、1つ、100点以上のことができるようになりたいです。

これが子供の素質を褒めてはいけない理由です。

何を褒めれば良いのか

では何をどう褒めたら良いのか?
もうお解りだとはおもいますが、それは努力や挑戦という『経緯』です。

「すごいね、日頃からがんばって勉強してるもんね」「よくがんばったね、勇気を出して挑戦したんだね」

これです。
『素質』を褒められると、その素質のいい自分の権威を保とうとできないことには向かって行きません。
逆に『経緯』を褒められると、結果云々より頑張って挑戦する自分を見てくれている、認めてくれてると思うようになりどんどん新しい壁に挑戦するようになります。

そして後者の方が『結果』すら良くなってきます。
これはある研究でも明らかにされています。
アメリカの心理学者 キャロル・ドウェックが行った実験です。

子供たちを二つのグループに分け、片方は良い結果を出した場合にその「結果」を褒めました。すると、そのグループの子供たちは、困難に出会うと簡単に諦めてしまうようになりました。良い結果が見込めない場合には、失敗を避けることで自尊心が傷つかない行動を選んだと解釈できます。つまり、固定思考を持ってしまい、成長しようとしなくなってしまったわけです。

もう一方のグループは頑張った場合に、その頑張りを褒めました。良い結果がでたかどうかに関わらず、その努力の姿勢を褒めたわけです。そうすると、そのグループの子供たちは、困難に出会っても、前にも増して頑張ろうとしました。成長思考になったということです。

(ドウェック先生はもうひとつ「上手なやり方」に対して褒めることも挙げています)。引用-なんでも褒めりゃ良いってもんじゃない

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photo credit: Andrew Stawarz via photopin cc

まとめ

僕の経験から言っても、努力や考え方といった『経緯』や『やり方』を褒めた方が子供のタメになるのは明らかです。

もちろん受け取り方や環境で個人差はあるので一概には言えません。が、自分で書いていて何ですが、とても理にかなった考え方だと思っています。

完璧主義の日本人は、オールマイティに100点を取らせたがりますが、他が全て0点でも、1つだけ光るものがあればいいじゃないですか。
むしろ社会ではその方が求められます。

その1つの個性や好きなことをグングン伸ばしてあげるのが、サポートしてあげるのが親の役目だと思っています。

やりたいことを強制(矯正)してはいけません。大好きな親に嫌われないように、自分を押し殺し、やりたくてやっているかのような顔をする子供もいます。

そんな思いを子供にさせず、やりたいことをとことんやらせて伸ばしてあげる、そんな子育てをして欲しいと思います。

子育て

Posted by PPS.