【映画】ハート・ロッカー/The Hurt Locker 解説ネタバレビュー

2013年11月16日

hurt_locker

ストーリー

イラク戦争中の2004年、バグダッド郊外。アメリカ軍の危険物処理班は、路上に仕掛けられた「即席爆発装置(IED)」と呼ばれる爆弾の解体、爆破の作業を進めていた。だが、準備が完了し、彼らが退避しようとしたその時、突如爆発した。

罠にかかり殉職した隊員に代わり、また新たな「命知らず」が送り込まれてきた。地獄の炎天下、処理班と姿なき爆弾魔との壮絶な死闘が始まる。

–Wikipedia

The Hurt Lockerとは

米軍スラングで「苦痛の極限地帯」「棺桶」の意味らしい。Heart Rocker かと思っちゃうから英語表記にしておいておくれ。
でもまさに、「極限地帯」 何故こんなことが繰り返されなければならないのか、悲しくなります。

とても映画を見ている様ではなく、ドキュメンタリーを見ている感覚でした。

 

ジェレミー・レナー

jeremy

Jeremy Lee Renner
カッコよくて好きな俳優さんなんですが、嫁が「浜田岳に見える」と言ってから本当にそう見えてしまって、なんともやるせない感じです・・・。ここでも悲しくなりました。

hamadagaku
prcm.jp

ベッカム少年

DVD売りとして登場するベッカムという名の少年。ジェームズ軍曹はこのベッカムと仲良くなっていきます。その少年が「人間爆弾」にされ(実際には別の少年だった)ジェームズは爆破処理をしようとするが、腹をもう一度あけ、爆弾を取り除きます。それは「良心の呵責」からか、「爆弾処理中毒」ともいえる症状からなのか・・・・。描写的にも前者であるとは思えますが、いや、そうあってほしかったのですが、この映画のテーマ「war is a drug」から考えるとどうなんでしょうか。

人間爆弾

恥ずかしながら人間爆弾のことは知らなかったのですが、本作のようにしたいに埋め込む場合や、体に爆弾をつけマインドコントロールし爆発させるパターンなどあるようです。とても同じ人間のすることには思えませんが、結局人を殺すことに変わりはありませんね。

War is a drug.

「家族がいる 助けてくれ」爆弾を体に巻かれた男。彼は恐らくテロリストではないでしょう。ギリギリまで処理を続けるジェームズ。真面目に任務をこなしてきたサンボーンも、衝突はあったもののジェームズと任務をこなすうちジェームズのやり方に飲み込まれていったように思えます。それはまさしく「戦争中毒」 スリルと興奮を求めていたんでしょう。

任務の帰りにサンボーンは「子供が欲しいが、もう無理だ」と言っていましたね。これがその証拠と言えるでしょうね。

「戦争は麻薬だ」 この言葉からから始まる本編は、まさにこの映画の1つのメッセージ。

視点とメッセージ

82nd Academy Awards, Arrivals
photo credit: FICG.mx via photopin cc
監督は女性の キャスリン・ビグロー。この方の元夫はジェームズ・キャメロン!元夫の「アバター」を押しのけアカデミー賞を取った気持ちはどんなもんなんでしょうか。
とくかくハート・ロッカーは「視点」がよかったなと思います。女性ならではというか、「戦争の恐ろしさ」を中毒という視点で描く。
ジェームズはも戦争のスリルや興奮、本人にしか解りえない何かを求めています。「家族」よりもです。これってものすごく怖いことですよね。

反ブッシュで知られるミニストリーの楽曲を使用していることからも「戦争反対」が根本にあるわけですが、

ポール・リークホフ(全米イラク・アフガニスタン帰還兵協会会長)は、「戦争を分かりやすく伝えようとしているが、経験者の私たちはあまりの不正確さにうんざりしてしまう。調査不足というだけでなく、端的に言えば米軍への敬意に欠けている」と、この映画に対して不満を述べている。ーーWikipedia

こんなこと言われても・・・戦争を反対しているのに軍に敬意もクソもないでしょう。
暗闇の先で笑うもの
この記事は大変参考になりました。
「傍観者になるな」というメッセージが読みとれるとあります。本当にその通りですね。戦争を体験しろと言うわけではなくもっと現実を見てできることが少しでもあるんじゃないか?そう考えさせられる、名作でした。

スリル満点アクション映画ではありません。メッセージ性の強い映画です。

THE HURT LOCKER

photo credit: sinemabed via photopin cc

映画

Posted by PPS.